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実験用装置の排気に油回転ポンプ(ロータリーポンプ)を使用。起動前の点検を怠り、潤滑油が規定量を大きく下回ったまま運転した結果、数分でポンプを破損させてしまった。
項目 | 状況 |
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ポンプ形式 | 二段式ロータリーポンプ(油循環・潤滑) |
使用者 | 研究室配属 1 年目の学生 |
使用条件 | 常温・常圧からの排気、連続運転予定 30 min |
事前点検 | 油量・油質とも未確認 |
時刻 | 作業内容 | その時の判断 | 見落とし |
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T = 0 min | 電源投入 | 「急いでいるし、油窓は後で見よう」 | 油量・油質の未確認 |
T = 2 min | ポンプから「カラカラ」という異音 | 「しばらく回せば落ち着くだろう」 | 異音は油量不足のサイン |
T = 4 min | 振動増大とオイルミスト捕集器から白煙 | 「これはまずい、すぐ停止」 | 既にローター焼き付き開始 |
点検後 | 分解・内部確認 | 「修理が必要だ」 | オーバーホール送りレベルの損傷 |
原因 | 具体的事象 |
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油量不足 | 潤滑膜が形成されず金属同士が直接接触→摩耗・焼け付き |
油質劣化 | 前回運転時に水分・粉塵が混入し粘度低下、潤滑性能喪失 |
異音放置 | 初期警告音を「そのうち落ち着くだろう」と無視 |
区分 | 対策 |
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事前点検 | – 油窓を真横から光を当てて確認 – 油面が MIN–MAX の範囲にあるかを写真で残す |
定期保守 | – 運転 100 h ごと、または 3 か月ごとにオイル交換 – 異物・変色があれば即交換 |
運転監視 | – 到達圧・音・振動を「開始 1 分後/5 分後」で記録 – 異常があれば即停止して原因究明 |
教育 | – 口ぐせ:「スイッチより先に油窓を見たか?」 – 新人は最初の 3 か月、先輩とダブルチェック |
油回転ポンプは内部のローターとステーターの微小な隙間(通常0.1mm以下)に油膜を形成することで真空を作り出します。油量が不足すると金属同士が直接接触し、摩擦熱により急速に焼き付きが進行します。
使用する潤滑油は通常、専用の真空ポンプ油(粘度20-100cSt程度)を使用し、一般的な機械油では蒸気圧が高すぎて真空度が悪化します。また、水分や異物の混入は油の劣化を加速させ、ポンプ性能の急激な低下を招きます。
定期点検時には油面レベルだけでなく、油の色(新油は透明~薄黄色、劣化油は茶色~黒色)、粘度、水分含有量も確認することが重要です。