真空度を上げる方法はいくつかあります。例えば以下のような方法です。
・ポンプの性能をあげる(排気容量、排気速度を上げる)
・パイプの内径を広げる(コンダクタンスを広げる)
・表面を研磨し真空槽内の付着物を減らす
・ベーキングし表面の水分を取る
・ポンプの排気の通り道をうまく作る
真空を初めて扱う方には、よくこのような説明をいたします。
夏場のエアコンを想像してください。
部屋の温度を25度にしたい場合、エアコンの設定温度を25度にすると思います。ですが、元々の温度が高かったり部屋が広かったりすると、すぐには25度にはならないかもしれません。このようなときにはエアコンの設定温度を下げることで冷却速度を上げることができますが、これは真空における「ポンプの性能を上げる」ことと同じ意味になります。
もし部屋が2つあり、それぞれは繋がっているが、エアコンが1台しかない場合、エアコンのある部屋の温度は25度だがもう一つの部屋は25度になっていないかもしれません。その場合は部屋同士を繋いでいる部分を広げることで解消するかもしれません。それはパイプの内径を広げる(コンダクタンスを広げる)ことに繋がります。あるいはエアコンのない部屋にもエアコン(=ポンプ)を設置してしまってもいいかもしれません。
ものがたくさんある部屋 からっぽの部屋
部屋の中に物がたくさんあると隙間の温度は25度ではないかもしれません。部屋に何もない方がまんべんなく25度にできますね。
真空チャンバーも上記と同じように真空度10-5Paにしたいと思い、それ用のポンプを選定したとしても配管の組み方や環境で大きく異なります。また真空計で測る場所によっても真空度は違う場合があります。
真空チャンバーもエアコンと同じように、「真空度を10-5Paにしたい」と思ってポンプを選定しても、部屋の形状や構造によっては到達したい真空度をなかなか得られないことがあります。
コスモ・テックでは様々な製品をご用意しておりますのでご不明な点がありましたらお気軽にお問い合わせください。