ガス抜き穴付きボルトとは?
ガス抜き穴付きボルトは、バキュームスクリュー、ベンチレーションスクリュー、またはホロースクリューとも呼ばれています。ガス抜き穴付きボルトの特徴として、中が空洞(穴が開いている)になっており、ねじを通してガス、汚染物質、圧力を放出できるよう、特別に設計されています。
これらのねじは真空システム内で使用することにより、ブラインドタップ穴から、空気や表面汚染物質のガス溜まりを迅速に排出することが可能となるため、HV、UHV、EUVシステムのポンプダウンをより速く、より効率的に行うことができます。
バーチャルリークとは?
バーチャルリークは、真空チャンバー内に発生する気体のことで、この場合、ブラインドタップ穴の底部や先端部に捕らわれていた気体がリークしている状態です。真空システム内で使用されるねじは、ねじ山、ねじ肩、穴とねじの間に意図的に空隙を作り、ガス溜まりを回避させる必要があります。
多くの場合、これらの空隙はねじによって部分的に密閉されているにもかかわらず、時間の経過とともに緩んできてしまいます。バーチャルリークとは、真空チャンバー外の動作や検査では発見できない漏洩のことをいいます。気体によって排気速度は異なるため、望ましくない不純物が排出されることがあります。具体的にどのような部分が関係してくるか、下の表で説明されています。
表 : 用途別のボイド
なぜガス抜き穴付きボルトを使用するのか?
ガス抜き穴付きボルトは、真空システムにおけるブラインドタップ穴の問題に対処できるよう、特別に設計されています。ブラインドタップ穴は、定義上、適用されたねじの下に小さな空隙を残します。この空隙は、大気圧での組み立て中に作られ、空気、粒子、およびその他の潜在的な形態の汚染物質がそのまま残されることになります。ポンプダウン工程では、チャンバー内の相対圧が低下するため、この空気量は大きくなります。やがて、この空気はねじ山の周辺に移動し、「バーチャルリーク」の原因となります。
UC Components, Inc.は、さまざまなガス抜き穴付きボルトとワッシャを製造しています。当社の製品は、空気や表面の汚染物質(水など)を、ブラインドタップ穴から排出するためのクリーンでクリアな経路を提供します。これにより、HV、UHV、EUVシステムのポンプダウンをより速く、より効率的に行うことができ、バーチャルリークや、これらの空隙に見られる潜在的な汚染物質を除去することができます。UC RediVac®ガス抜き穴付きボルトを設置することで、システムのスループットや、歩留まりの向上に貢献します。
ガス抜き穴付きボルトの取り付けは、特別な工具やコツを必要としない簡単なプロセスです。標準の非ガス抜き穴付きボルトと同じように取り付けられ、同社のベントフラットワッシャーと組み合わせて使用すると最も効果的です。
ガス抜き穴付きボルトの詳細については、以下のビデオをご覧ください。
https://youtu.be/n_adTP6R56s