0. 教訓
抵抗は一度過電流でダメージを受けると、外見が正常でも内部の回路にひび割れや絶縁劣化が残ることがあります。「焦げてないから使える」は非常に危険な思い込み。
目視だけで再使用を判断してはいけません。特に電気部品は、「内部の見えないダメージ」が命取りになることを肝に銘じましょう。
1. 事例内容
一度電流の異常により発熱・発煙した抵抗について、外観に焦げや亀裂が見られなかったため、そのまま基板上に再使用した。しかし、再使用後の通電試験中に再び異常加熱し、煙が出る事態となった。
失敗した人の声
「見た目は全然普通だったんです。焦げもないし、ひび割れもない。『まだ使えるな』と軽く考えてしまいました。」
「通電して数分後、また煙が出始めた時は血の気が引きました。周りに可燃物もあったので、もし気づくのが遅れていたら…と思うとゾッとします。」
「電気部品は見た目だけでは判断できない。一度でも異常があった部品は必ず交換する。この教訓を二度と忘れません。」
2. 原因
- 見た目で判断してしまったこと
- 抵抗内部がすでに損傷していた可能性を考慮しなかったこと
- 試験前に抵抗値の再確認や交換を行わなかったこと
3. 影響・被害
- 再び発煙により作業が中断
- 火災リスクの発生
- 周囲の作業者への安全上の脅威
4. 防止策
- 一度でも異常加熱・発煙した電気部品は、外観に問題がなくても必ず交換する
- 新しい部品に交換する前に抵抗値測定やテスターでの確認を実施する
- 過電流が発生した回路全体の点検を行い、関連部品もチェックする
- 「見た目で判断しない」ことを作業ルールとして明文化する
5. 再発防止チェックリスト
- ✅ 異常加熱した部品の交換:過去に発熱・発煙した電気部品は外観に問題がなくても必ず交換する
- ✅ 抵抗値測定:交換前に必ずテスターで抵抗値を測定し、規定値内であることを確認する
- ✅ 回路全体の点検:過電流が発生した回路の他の部品についても損傷がないか確認する
- ✅ 作業手順書の確認:「見た目による判断禁止」が作業手順に明記されていることを確認する