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実験用装置の排気に油回転ポンプ(ロータリーポンプ)を使用。起動前の点検を怠り、潤滑油が規定量を大きく下回ったまま運転した結果、数分でポンプを破損させてしまった。
時刻 | 作業内容 | その時の判断 | 見落とし |
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T = 0 min | 電源投入 | 「急いでいるし、油窓は後で見よう」 | 油量・油質の未確認 |
T = 2 min | ポンプから「カラカラ」という異音 | 「しばらく回せば落ち着くだろう」 | 異音は油量不足のサイン |
T = 4 min | 振動増大とオイルミスト捕集器から白煙 | 「これはまずい、すぐ停止」 | 既にローター焼き付き開始 |
点検後 | 分解・内部確認 | 「修理が必要だ」 | オーバーホール送りレベルの損傷 |
原因 | 具体的事象 |
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油量不足 | 潤滑膜が形成されず金属同士が直接接触→摩耗・焼け付き |
異音放置 | 初期警告音を「そのうち落ち着くだろう」と無視 |
区分 | 対策 |
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事前点検 | – 油窓を真横から光を当てて確認 – 油面が MIN–MAX の範囲にあるかを写真で残す |
定期保守 | – 運転 100 h ごと、または 3 か月ごと、など目安を設けてオイル交換 – 異物・変色があれば即交換 |
運転監視 | – 到達圧・音・振動を「開始 1 分後/5 分後」で記録 – 異常があれば即停止して原因究明 |
教育 | – 口ぐせ:「スイッチより先に油窓を見たか?」 – 新人は最初の 3 か月、先輩とダブルチェック |
油回転(油封)ポンプは、ローター/ベーンとケーシングの微小なすきま(代表例:数十μm級)に油膜を形成しつつ、回転による容積変化で吸気・圧縮・排気して真空を得ます。油はシール性の向上・潤滑・冷却が主役で、油量が不足すると金属部が直接接触して摩擦熱が発生し、短時間で焼き付きに至ります。
使用油は必ずメーカー指定の真空ポンプ油を用います(例:ISO VG 32/46/68/100 等、40℃動粘度の目安)。一般的な機械油は蒸気圧が高いうえ、添加剤由来の発泡・アウトガス・シール材劣化を招き、到達圧や信頼性を悪化させます。また水分や粉じん・反応生成物の混入は油の乳化・酸化・粘度変化を加速し、ポンプ性能の急速な低下につながります。
定期点検では油面レベルに加えて、色調(新油:透明~淡黄/劣化:褐色~黒)だけに頼らず、にごり(乳化)・泡立ち・異臭・金属粉の有無・粘度感・水分含有も確認します。水分混入が疑われる場合はガスバラスト運転で揮発分を放出します。到達圧の悪化、運転音や温度の上昇などの兆候が見られたら、メーカー推奨周期に関わらず早めの油交換を行うのが安全です。