PTFE無電解ニッケルめっき(PEN-TUF®/EN)は、乾式潤滑、高潤滑性、優れた耐摩耗性と耐食性を持つ高度な金属処理(コーティング)です。この工程は20年以上前にアドバンスト・サーフェス・テクノロジー社で開発され、共蒸着と注入の2つの方法で適用することが可能です。
共蒸着法(UCコンポーネンツ社で標準的に使用されている方法)
共蒸着法PEN-TUF®/ENは、部品や組立品をめっきする際に、無電解ニッケル層にPTFE(ポリテトラフルオロエチレン)粒子を均一に分散させるもので、PTFE粒子は無電解ニッケル層中に分散しています。
注入法
注入法PEN-TUF®/ENは、中リン酸塩無電解ニッケルめっきの上にPTFEを噴霧して、部品や組立品に焼き付けます。これにより、表面に優れた剥離性と耐食性をもたせることができます。
PEN-TUF®/ENは、PTFEの低摩擦離型性と無電解ニッケルの耐性と硬度を組み合わせたコーティングで、従来の潤滑剤や剥離スプレーが使用できない、クリーンクリティカルな部品や組立品に最適な処理方法です。
使用されている産業
-自動車
-航空宇宙および宇宙
-防衛
-エレクトロニクス
-医療
-その他
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用途
-非摩耗のねじ部品
-プレス加工されたワッシャー
-射出成型金型
-その他
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PEN-TUF®/ENは、アルミニウム、真鍮、銅、ステンレスなど、さまざまな金属に適用します。無電解ニッケルメッキと同様に、自己触媒による化学反応を利用して塗装を行うため、均一で正確、安定した塗装が可能です。複雑な形状、鋭いエッジ、深い凹み、継ぎ目、ねじ山などを持つ部品に効率よく塗装することができます。PEN-TUF®/ENで塗装された部品や組立品の耐熱温度は、260℃、またカドミウムメッキに代わるより環境に優しいコーティング方法です。PEN-TUF®/ENは米国航空宇宙 用材料規格であるAMS2454 2012-04や、ELV(End-of-Life Vehicle Regulation)、RoHS(Restriction of Hazardous Substances)にも適合しています。
PEN-TUF®/ENが選ばれる理由
・極限の自己潤滑性
・乾式潤滑
・水、油、その他の汚染物質をはじく
・優れた耐摩耗性
・優れた耐腐食性
・低摩擦係数
・優れた非粘着性
・複雑な形状でも均一に塗布できる
・低反射率
・一般的に母材に近い仕上がりになる
特性 |
共蒸着方式 |
注入法 |
組成 |
ニッケル 84-85%(重量比)
リン:9~11%(重量比)
PTFE:8~9%(重量比)/23~25%(体積比)
PTFEパーティクル 直径0.3~0.4μm
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リン:7~9%(重量比) |
密度 |
6.5g/cm3 |
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標準的なコーティングの厚さ |
0.0001″-0.0004″ |
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硬度 |
32~35RC (めっき) 42~46RC (300℃/4時間熱処理) |
54~58RC |
摩擦係数 |
0.07-0.10(湿式) 0.1-0.2(乾式 |
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耐腐食性 |
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0.0003インチ(塩水噴霧100時間) |
耐摩耗性 |
CS-10ホイール/1000g荷重 重量損失=20mg/1000回 |
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電気抵抗 |
0.06Ω/平方インチ 0.00084インチ厚さ |
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PEN-TUF®/ENは真空中で使用することができます。また、かじり防止用途として、銀メッキの代用としても使用可能です。
UCC製品は
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